Saturday, December 25, 2010

その苦しみは「無限」


  自分自身では受け入れられない考えや
感情・記憶を“無かったこと”にしようと、
「無意識」の領域に押し込める現象を
フロイト「抑圧」と名づけた
しかし「抑圧されたもの」は
決して消えるわけではない。

人は死ぬとき、意識水準が急激に低下する。
死ぬまで罪を懺悔することも
償うこともなかった犯罪者には、
そのときそれまで抑圧していた一生分の罪悪意識
(すなわち被害者に与えた苦しみのすべて)
が一瞬のうちにいっきに襲い掛かる。

意識水準の低下で時間と空間の概念さえ失われるために、
その苦しみは「無限」で逃れる「場所もない」・・・と、
罪を償わなかった臨死者に現実に起こっている地獄を
こんなふうに解釈することもできるであろう。
これでなぜカトリックが告解をするかの理由も筋が通る。